■WSD(くさび状欠損)症状と治療法
みなさん、こんにちは。
私たちの歯は、むし歯になっていなくても歯質に欠損が生じることがあります。専門的にはWSD(くさび状欠損)と呼ばれるもので、冷たいものがしみる「知覚過敏」を伴うことが多いです。今回はそんなくさび状欠損についてわかりやすく解説します。
■くさび状欠損の症状
くさび状欠損は、歯と歯茎の境目に現れる歯質の欠損です。歯の一部がえぐられたように凹んで見えるのが特徴です。歯の一番外側を覆っているエナメル質が摩耗あるいは破壊されることから、象牙質がむき出しとなっています。その結果、冷たいものがしみる「象牙質知覚過敏症」を発症します。同時に、むし歯の発症リスクも上昇している点に注意しましょう。
■くさび状欠損の原因
くさび状欠損の主な原因は、過度なブラッシング圧です。研磨剤入りの歯磨き粉を使って、毎日ゴシゴシと力強く磨いていると、エナメル質が摩耗します。歯と歯茎の境目である「歯頚部(しけいぶ)」は、エナメル質が薄くなっており、摩耗するとすぐに象牙質が露出するため、くさび状欠損を生じさせやすくなっています。その他、歯ぎしりや食いしばり、強い咬合力などによっても、くさび状欠損が誘発されることがあります。
■くさび状欠損の治療法
くさび状欠損は、症状に応じて治療法が変わります。むし歯のリスクが小低く、知覚過敏の症状も現れていなければ、そのまま経過観察します。もちろん、原因となっている過度なブラッシングや歯ぎしりなどは改める必要があります。歯科医院でブラッシング指導を受け、正しい歯磨きの方法を身に付けましょう。歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖は、マウスピースで治療することもあります。
むし歯のリスクが高くなっている場合は、レジンなどで欠損部を補うことがあります。知覚過敏に対しては、フッ素を塗布したり、専用の薬剤を作用させたりすることで歯がしみる症状を緩和します。
▼まとめ
このように、お口の中が清潔であっても、歯質の一部が欠損することがありますので注意しましょう。そんなくさび状欠損を治療したい、もしくは予防したいという方はお気軽に当院までご相談ください。