みなさんこんにちは!
関原デンタルオフィスです。
『酸蝕症(さんしょくしょう)』という歯の病気をご存じですか?
酸蝕症とは、酸性度の強い食べ物や飲み物、また逆流した胃酸に日常的にさらされることにより、
歯が病的に溶けて傷んでしまう症状をいいます。
「酸蝕症?自分には関係ないや」
と思っていたら大間違いです!
国内の実態調査では、全世帯を通じ4人に1人の罹患率です。
(15~89歳、1108人を調査したデータです。引用文献kitasato et al2015.j.dent)
酸蝕症とむし歯はどう違うでしょう?
「むし歯」はむし歯菌がエサである糖を分解する時に出す酸で歯を溶かします。
「酸蝕症」は酸によって歯が溶けるので、細菌が関与しないという点がむし歯と違います。
酸蝕症の原因は?
①胃酸
・逆流性食道炎
・摂食障害(拒食症、過食症、反芻癖)
医科での治療が必要です
②酸性の薬剤の使用
・ビタミン剤、アスピリン等
③酸の強い食品の取りすぎ
・清涼飲料水、スポーツドリンク、果物、クエン酸、酢など
①②③の中で一番多い原因はどれでしょうか?
正解は・・・③です!!
日常の飲み物の中には、酸性度が高いものがこんなにあります!
それでは、どのような症状がでるのでしょうか?
症状
・歯が透き通る
・歯が丸みを帯びる
・しみやすくなる
・噛む面が凹む
・詰め物、被せ物がとれやすくなる
このようにいいことが一つもない酸蝕症ですが、対応策があります!
対応策
①ダラダラ食べ、ちょこちょこ飲みをしない
酸の影響を受けるのを少なくするために、食べる頻度は少なくしましょう。
②就寝前は食べる、飲むのは控えましょう
唾液には歯の再石灰化する働きがありますが、
就寝時は唾液の量が少なくなり、再石灰化が行われません。
唾液の量が少なくなる就寝前は酸性の飲食物は控えるようにしましょう。
③唾液の緩衝能(唾液を正常なpHに保とうとする働き)を増強する
牛乳やチーズなど、脱灰を阻害するカルシウムやリンを含む食品を酸性食品と同時に、
または食後に取ると良いです。
無糖の薬用ドロップ、キャンディ、ガム等を食べて唾液を出し、
再石灰化を促すのも効果的です。
④フッ化物を活用する。
むし歯だけではなく、酸蝕症にもフッ素は有効です。
フッ素入り歯磨剤やフッ素入り洗口剤を使いましょう。
リカルデント®(CCP-ACP)も酸蝕症に有効です
酸蝕症についてお伝えしましたが、
「酸性の食品を口にしてはいけない。」というわけではありません。
酸性の食品を食べる習慣があっても、
歯に症状がなければ今の習慣を変える必要はありません。
酸蝕症について理解したうえで食事を楽しみましょう!