こんにちは
関原デンタルオフィスです。
インプラント治療を受けた人が最も注意しなければならない病気。
それは「インプラント周囲炎」です。
インプラントを埋め込んだ周りの歯茎や顎の骨に炎症が生じる病気で、
一般的な歯周病よりも進行が早く、自然に治ることもありません。
今回はそんなインプラント周囲炎の原因と悪影響について、
わかりやすく解説をします。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの組織に
細菌感染および炎症反応が生じる病気です。
一般的な歯周病における「歯周炎」にあたるもので、
その前段階をインプラント周囲粘膜炎といいます。
インプラント周囲粘膜炎の段階であれば、
いわゆる歯肉炎に該当するため、歯茎や顎の骨の破壊もまだ進んでいません。
適切な治療を施すことで、元の状態に戻せる場合もあります。
インプラント周囲炎の原因は?
インプラント周囲炎の原因は、歯周病菌への感染です。
インプラントと歯茎との境目に、歯垢や歯石などの汚れがたまることで
細菌が繁殖して、炎症反応をもたらします。
このメカニズムは、通常の歯周病と変わりはありません。
ただし、インプラントの場合は、歯根と顎の骨との間に「歯根膜」という
血管が分布する組織が介在していないことから、
細菌への抵抗力が低くなっているのです。
歯槽骨(しそうこつ)への酸素や栄養素、免疫細胞の供給が行えないため、
歯周病の進行速度が極めて速い点に注意が必要です。
インプラント周囲炎が及ぼす影響
インプラント周囲炎にかかると、
インプラントを取り巻く歯茎や歯槽骨が急速に進んでいきます。
数ヵ月かけて獲得した人工歯根と骨との結合(=オッセオインテグレーション)も失われてしまい、
インプラントがグラグラと動揺するようになります。
その過程で、アバットメントの部分が口腔内に露出したり、
硬いものが噛めなくなったりする症状に悩まされます。
そして、最終的には人工歯根が自然に抜け落ちるか、
歯科医院での処置で抜き取らなければならない事態にまで追い込まれるのです。
まとめ
今回は、インプラント特有の歯周病である
「インプラント周囲炎」について、解説しました。
インプラントの寿命はとても長く、10年以上持つのが一般的ですが、
インプラント周囲炎にかかると短命になってしまいます。
次回はそんなインプラント周囲炎の治療法や予防法についてご説明します。
関心のある方は、次回のコラムもチェックしてください。☺️