こんにちは
関原デンタルオフィスです。
虫歯や歯周病、口臭を予防する上で何より重要となるのはセルフケアです。毎日のセルフケアの方法によって口腔衛生状態は大きく変わります。今回はそんなセルフケアの効果と効率を高めてくる歯磨き粉とマウスウォッシュについて、わかりやすく解説をします。
歯磨き粉(歯磨剤)の分類について
薬局やドラッグストアには、歯磨き粉をはじめとしたさまざまな製品が並んでいますが、配合されている成分によって3種類に分けられるのをご存知でしょうか?それは化粧品・医薬部外品・医薬品の3つです。いずれも一度は耳にしたことがある言葉ですが、歯磨き粉にもその分類が当てはまることに驚かれた方も多いことでしょう。
化粧品の定義と特徴
化粧品は、肌や髪を美しく整えるために使用される製品です。これには、洗顔料、化粧水、ファンデーション、リップスティックなどが含まれます。日本の薬機法では、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために使用されるもの」と定義されています。
歯磨剤に関しても、基本成分と呼ばれるものだけで構成された製品が該当します。具体的には、研磨剤・清掃助剤・発泡剤・香味剤・保存剤・着色剤などが挙げられます。これらは、あくまで口腔内の清潔を保つために使用されるものであり、医薬的な効果は持ちません。そのため、安全性が高く、毎日の口腔ケアに安心して使用できることが特徴です。
医薬部外品の定義と特徴
医薬部外品は、化粧品と医薬品の中間に位置する製品です。これには、一定の効能・効果を持つ成分が含まれており、日常生活での使用を前提としています。具体的には、薬用歯磨き、育毛剤、デオドラントなどが該当します。
薬用歯磨きは、殺菌剤・歯質強化剤・消炎剤・止血剤・象牙細管封鎖剤などが含まれており、これらには虫歯予防や歯周病予防、知覚過敏の症状を緩和する効果があります。日本の薬機法では、「軽度の薬理作用を持ち、疾病の予防や健康維持を目的とする製品」として定義されています。医薬部外品は、厚生労働省によって効能や成分が承認されているため、一定の効果が期待できることが特徴です。これにより、患者さんは信頼性の高い製品を選ぶことができます。
【薬用成分】
・虫歯予防
フッ化ナトリウム(NaF)→歯質強化、再石灰化の促進
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・プラーク(歯垢)除去
デキストラナーゼ(酵素)→プラークの分解
・歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防
トラネキサム酸→抗炎症作用
IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
→殺菌作用
塩化ナトリウム
→収れん(歯肉のひきしめ)作用
・歯石予防
ポリリン酸ナトリウム・ピロリン酸ナトリウム→歯石形成の抑制
・知覚過敏の改善
乳酸アルミニウム→象牙細管の封鎖
硝酸カリウム→刺激の伝達を防ぐ
・口臭の防止
LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)→殺菌作用
医薬品の定義と特徴
医薬品は、疾病の治療や予防、診断に直接関与する成分を含む製品です。これには、処方薬や市販薬が含まれ、抗生物質、鎮痛剤、抗アレルギー薬などが該当します。日本の薬機法では、「疾病の診断、治療または予防に使用されることを目的とする製品」として定義されており、その効果が科学的に証明されています。
歯科領域では、抗菌薬や鎮痛薬、炎症を抑える薬などが使用されます。また、医薬品としての歯磨剤には、特定の治療効果を持つ成分が含まれている場合があり、歯周病の治療や予防を目的としたものが例として挙げられます。これらの医薬品は、使用に際して歯科医師や薬剤師の指導が必要となることが多く、副作用のリスクも伴います。
歯磨き粉のジェルとペーストの違い
歯磨き粉は、ジェルタイプとペーストタイプの2つに大きく分けられます。
ジェルタイプの特徴
ジェルタイプの歯磨き粉は、透明で滑らかな質感が特徴です。ジェルタイプの歯磨き粉は、特にお子さんや親御さんに人気があります。なぜなら、泡立ちが少なく、刺激が少ないため、デリケートな口腔環境にも優しいからです。フッ素が均一に口内に行き渡るため、虫歯予防に効果的です。また、ジェルは歯の表面に長時間とどまる性質があるため、フッ素の効果を最大限に発揮することができます。
ジェルタイプの効果的な使い方
ジェルタイプの歯磨き粉の効果的な使い方としては、少量を歯ブラシに取り、優しく円を描くように磨くことが推奨されます。特に、寝る前の歯磨きにはジェルタイプが適しており、フッ素が一晩中作用することで、虫歯のリスクを低減します。さらに、ジェルタイプは磨き残しが少ないため、歯周病予防にも役立ちます。
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ペーストタイプの特徴
ペーストタイプの歯磨き粉は、古くから多くの患者さんに愛用されていますが、そ理由は高い清掃力にあります。ペーストタイプの歯磨き粉の多くには研磨剤が含まれており、歯の表面に付着したプラークや汚れを効果的に除去することができます。また、ペーストタイプにはフッ素やホワイトニング成分が含まれているものも多く、美しい笑顔を保つために役立ちます。
ペースタイプの効果的な使い方
ペーストタイプの歯磨き粉の効果的な使い方としては、歯ブラシ全体に適量を乗せ、歯の表面全体を丁寧にブラッシングします。特に、噛み合わせの部分や歯と歯の間など、汚れがたまりやすい箇所を重点的に磨くことが重要です。また、ペーストタイプは泡立ちが良いため、口全体に行き渡らせることが容易です。これにより、口腔全体の清潔を保つことができます。
どっちがおすすめ?
ジェルタイプとペーストタイプのどちらを選ぶかは、患者さんの口腔状態や好みによります。それぞれの特性を理解し、正しい使い方をすることで、健康な口腔環境を維持することが可能です。
マウスウォッシュ(洗口液)について
マウスウォッシュも歯磨き粉と同様、化粧品・医薬部外品・医薬品の3つに分けられます。それぞれの使用目的や効果、使い方などは以下の通りです。
化粧品の洗口液
【使用目的】
化粧品としての洗口液は、主に口腔内の清涼感を得るために使用されます。日常の口腔ケアの一環として、口臭の予防や息をリフレッシュすることが目的です。
【効果】
このタイプの洗口液は、口腔内を一時的に爽やかにし、口臭を抑える効果があります。ただし、医学的な治療効果は期待できません。
【使い方】
適量を口に含み、30秒から1分ほど口内をゆすいだ後、吐き出します。使用頻度は、日常的なケアとして朝晩2回程度が推奨されます。
【ポイント】
化粧品の洗口液は、毎日の口腔ケアの一部として気軽に使用できます。口臭予防を目的とする場合は、定期的な歯磨きと併用すると効果的です。
医薬部外品の洗口液
【使用目的】
医薬部外品の洗口液は、口腔内の清潔を保ち、虫歯や歯周病の予防を目的としています。
【効果】
このタイプの洗口液には、主に殺菌成分が含まれており、虫歯予防や歯周病予防に効果があります。口腔内の細菌を減少させ、歯と歯茎を健康に保ちます。
【使い方】
食後や就寝前に使用するのが効果的です。適量を口に含み、30秒から1分間ゆすいだ後、吐き出します。使用後は水で口をすすぐ必要はありません。
【ポイント】
医薬部外品の洗口液は、日常の口腔ケアに取り入れることで、虫歯や歯周病のリスクを低減することができます。
医薬品の洗口液
【使用目的】
医薬品の洗口液は、口腔内の感染症や炎症の治療、予防を目的としています。歯科医師や医師の指示のもと使用されます。
【効果】
このタイプの洗口液には、抗菌薬や抗炎症薬が含まれており、口内炎や歯周病、その他の口腔内の疾患に対する治療効果があります。強力な殺菌作用があり、短期間で症状の改善が期待できます。
【使い方】
歯科医師や医師の指示に従い、適量を口に含み、30秒から1分ほど口内をゆすいだ後、吐き出します。使用頻度や期間は、症状に応じて異なります。
【ポイント】
医薬品の洗口液は、特定の口腔疾患の治療に使用されるため、必ず歯科医師や医師の指導のもとで使用することが重要です。副作用のリスクもあるため、用法・用量を守ることが大切です。
まとめ
今回は、セルフケアで使用する歯磨き粉やマウスウォッシュについて解説しました。こうしたオーラルケアグッズは、化粧品・医薬部外品・医薬品の3つに分類することができ、それぞれで特徴や得られる効果、使用目的が異なりますので十分な注意が必要です。そんなセルフケアに用いる歯磨き粉やマウスウォッシュについてもっと知りたいという方は、いつでもお気軽に武蔵小杉の関原デンタルオフィスまでご相談ください。