こんにちは、歯科医師の望月です。
これまで睡眠時無呼吸症候群の患者さんにマウスピース(スリープスプリント)を作成し、治療のサポートをしてきましたが、今回は自分自身が患者の立場になり、実際に作成から使用までの流れを体験してみました!
「マウスピースってどうやって作るの?」
「実際に効果はあるの?」
そんな疑問を持っている方に向けて、作製から1週間の使用感までをレポートします!
マウスピースを作るところからスタート!
まず、睡眠時無呼吸症候群の診断を睡眠時外来で受けたら、マウスピースを作るために歯科医院での型取りが必要です。
(今回は自分で作成するので、患者さんの目線で工程を振り返りながら進めました。)
① 事前の診察と適応チェック
睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは、 「軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群の方」 に適応があります。
また、歯の状態や顎関節の状態によっては、マウスピースが向かないこともあるので、事前にしっかり診察を行います。
私の場合、「歯並びに問題なし」「顎関節の状態も問題なし」 ということで、作製スタート!
②歯型を取る
マウスピースを作るためには、上下の歯型を取る必要があります。
アルジネートという粘土状の材料を使います。
そこに石膏をついで模型を作ります。
③プラスチックの板を熱して圧接します。
④噛み合わせの確認
次に、下顎をどの程度前に出すのかを決めます。
⑤噛み合わせを決めた場所で上下をくっつけます
マウスピース装着!1週間の経過
1日目~2日目:違和感と顎の疲れ
ついに自分用のマウスピースが完成!
装着してみると、やはり「異物感」が気になります。
特に、下顎を前に出す構造のため、「顎が引っ張られる感じがして、ちょっと違和感があるな…」 というのが最初の感想。
また、朝起きたときに軽い顎の疲れを感じました。
患者さんからも「最初の数日は違和感が強い」とよく聞きますが、まさにその通りですね。
この時点では、「本当に効果があるのか?」という実感はまだありませんでした。
3日目~4日目:慣れ始め、いびきが軽減
3日目くらいから、装着時の違和感が少し減ってきました。
そして、驚いたのが いびきの変化です。
普段は「いびきがうるさい」と言われることが多かったのですが、
「最近静かになった?」と言われました。
自分では気づかない部分ですが、明らかにいびきが軽減しているようです。
ただ、朝起きたときに口の乾燥が気になることがありました。
どうやら寝ている間に口呼吸をしてしまっているようで、これも患者さんによく相談されるポイントですね。
鼻呼吸を意識し、加湿器を使うことで、少しずつ改善してきました。
5日目~7日目:睡眠の質が向上!
1週間が経過すると、マウスピースをつけることが自然になり、違和感はほぼなくなりました。
そして、朝の目覚めが少しずつスッキリするように!
これまでは朝起きても「なんとなく疲れが抜けていない…」という感じがありましたが、
起床時の倦怠感が軽減され、日中の眠気も減ったように感じました。また、顎の疲れも最初ほど気にならなくなり、マウスピースの装着が完全に習慣化しました。
実際にCTで撮影してみたら…なんと気道が拡がっていました!CT画像を見ながら、
「おぉ、こんなふうに変わるんだな」と実感。やっぱり可視化するって大事ですね。
[装着前]
[装着後]
実際に試して感じたメリット・デメリット
◎ メリット
・CPAPよりも手軽で、扱いやすい
・いびきの軽減
・機械音がないので、睡眠の邪魔にならない
・朝の目覚めがスッキリし、日中の眠気が改善
△ デメリット
・初日は異物感が強く、寝つきにくい
・口呼吸のクセがあると乾燥しやすい
・重症の睡眠時無呼吸症候群の方だと効果が不十分な場合もある
結論:マウスピース治療は睡眠時無呼吸症候群の有効な選択肢!
今回、自分で試してみて、マウスピース治療の有効性を実感しました。
確かに最初の数日は違和感がありましたが、1週間ほどで慣れ、睡眠の質の向上やいびきの軽減と
いった効果を体感できました。特に、軽度~中等度の睡眠時無呼吸症候群の方には、CPAPよりも負担が少なく、続けやすい治療法だと感じます。
もちろん、すべての睡眠時無呼吸症候群の患者さんに適しているわけではないため、適応の判断や装置の調整は必要ですが、「CPAPは抵抗があるけど、何か治療をしたい」 という方には、ぜひ一度試していただきたい選択肢です。
今後も経過を観察していきたいと思います。
なおマウスピース作成に関しましては睡眠時外来の紹介状が必要です。
マウスピース治療について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。